「あんなぁ、こなんさん、おばさぁーーん」
KEIKOの私への第一声
私に対するいつもの口癖。
KEIKOの私への第一声
私に対するいつもの口癖。
日本人と外国人のハーフの彼は小学校2年生。
和歌山のとある山奥の地域に暮らしており、全校生徒9人しかいない。
私がいるところは、もう平成13年に廃校になった校舎。
休校になったのが平成3年なのだから、彼が住んでいる地域は、まだまだ望みがある?!といえようか。
生徒の9人中、男子は2人。 そのうち、KEIKO以外の男は6年生。
ぇっ、来年から男一人になるのね、KEIKO
今日の午後からの予定は、川遊び。
暑くてむしむししているので、KEIKOと私以外は全員川に遊びに行った。
川に行きたくないKEIKOと、ごろごろしたい私。
始めは、べっこう飴を作るという名目で残ったKEIKO
だが、「ぼく、べっこう飴って、何かしらんねぇん」と、ハーフの顔で、関西弁ばりばりで言う。
なんやねん、それ。
引き受けた私も、作り方しらんし…
ほな、わたしは昼ねしたいけど、KEIKOが許してくれないので、講堂で2人で遊ぶことに。
「こなんさん、なんか世界に一つしかないゲーム作って」
「ほな、緑のマットの上をわたって、また元の位置に戻ってきて。それを3回繰り返す!
だけど、緑のマットの上での動作は、一回目と全く同じ動きでとおらなあかんでっ」
そんなもん、できるかいなっ笑
と、内心、自分につっこむ私にはお構いなしに、一生懸命、一人で繰り返すKEIKO。
私は、そんなKEIKOの1人ではじける様子を、ただその一瞬を、逃すまいっとカメラを向ける。
私を前にして、男の恥じらいもなくひたすら、おちゃらける。
きっと、15歳になったら、彼も「ぬーすんだバイクで走り出すーー」気分で、
おセンチになって、気難しい顔して、思春期でひげも生えてきて、声もかわって、
こなんさんとは喋ってもくれないのだろう。
それでも、私は知っている。
誰にふりまわされることなく、1人で学校に残ることを選択し、私1人だけを観客に、
前歯むき出してはしゃいでいたあの時を。
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